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羽根傾斜は通常プロペラの場合、船尾側方向に5°〜12°位傾斜しているが、高速艇などの場合、傾斜のないものや、船首側方向に傾斜しているものもある。船尾側方向に傾斜しているプロペラはプロペラ羽根先端と船体との間隙を大きくするには良い方法であり、また船首側方向に傾斜しているプロペラは高速艇などで回転に基づく遠心力を利用して、少しでも羽根根元部の応力を減じて、羽根厚さを薄くするための工夫である。
12)ウォッシュバック
ウォッシュバックとは3・31図に示すようにプロペラ羽根の各断面で前縁側および後縁側が前進面基準線より反り上がった状態を言う。一般に羽根前縁側に付いている場合が多いが、羽根断面によっては、後縁側に付くこともある。
13)スキューバック
3・31図に示すようにスキューバックはプロペラ羽根の設計中心線と羽根先端とのずれの距離である。
14)スキュー角
3・40図に示すようにスキュー角は、プロペラ羽根投影図において、プロペラ軸中心と羽根幅中心線の羽根先端の点とを結ぶ直線とプロペラ軸中心から羽根幅中心線へ引いた接線とがなす角度である。通常型プロペラの場合、スキュー角は7〜8度であり、ハイスキュープロペラの場合は25度以上である。
15)プロペラの面積
プロペラの面積の術語にはつぎの4種類がある。
(1)全円面積
プロペラ羽根の先端が回転して描く円の面積でプロペラ直径をDとすればつぎの通りである。

 

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(2)投影面積
投影面積とは3・37図に示すように?の方向から見て軸心に垂直な面に投影したプロペラ羽根の面積である。
(3)伸張(展張)面積
伸張面積とは3・37図に示すように?の方向から見た羽根の輪郭を1枚の紙の上に平らにおしひろげたときの形状を羽根の伸張形状といい、これがかこむ面積を伸張面積と言う。
(4)展開面積
伸縮図で円弧上にある各羽根断面を一直線に延ばした状態でのプロペラ羽根の面積を言う。プロペラ形状を表現するのに、通常この展開面積が用いられる。なお、伸張面積と展開面積とはほぼ等しい面積である。

 

 

 

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